薬物療法やネブライザーなど、粘膜を保護して機能の回復を待つタイプの治療「保存療法」で蓄膿症の症状が改善しなければ、いよいよ「手術療法」に踏み切らなければなりません。
以前は蓄膿症の手術といえば「上顎洞篩骨洞根本手術」が主流でした。いわゆる“骨を切る”手術です。口の中を切って頬の骨を削りって上顎洞(頬の内側)の粘膜を摘出した後、篩骨洞(副鼻腔奥の行き止まり部分)の炎症を起こしている部分を完全に摘出……書いているだけで痛くなるような気がします……。
この手術のイメージがあまりにも強すぎて、蓄膿症を治すなら骨を切らなければならない、と、蓄膿症の治療は敬遠されてきました。ところが今は、内視鏡を使った手術が可能になっています。
「内視鏡下副鼻腔手術(ESS)」は鼻の中に内視鏡を入れ、モニターで鼻の中の状態を観察しながら、炎症を起こしている部分を取り除きます。
といっても、炎症を起こした部分を根こそぎ取り除く術としては上顎洞篩骨洞根本手術の方が一枚上手。内視鏡下副鼻腔手術は鼻腔と副鼻腔をつなぐ穴を広げて膿を溜まりづらくすることが第一の目的です。つまり、粘膜の自己再生力を押し上げるための手術なんですね。
なーんだ、と思うかもしれませんが、この手術の後は薬物療法も、ネブライザーなど保存療法も、格段に効果が上がります。骨を切る手術ほどパパッ!と治るわけではありませんが、蓄膿症が完治する可能性はグッと上がるのです。